もう開催から1ヶ月弱経つんですか!早い、時の流れが本当に早いです笑
鮮度が落ちないうちにすぐにすぐにと思いつつご報告が大変遅くなってしまいました。
映画「かぐやびより」の上映はかれこれ1年半くらい温めていた企画です。
きっかけは単純で、上映時期を逃してしまい自分が観れなかったからです。でも映画ってリアルタイムで触れられる機会が限られているからこそいいなと感じることも多いです。見逃してしまったけど心のどこかでずっと気になっている作品っていくつかあって、暮らしている湘南から長野県まで遠征したことも、、そうするともう、観たかったなぁというモヤモヤから会場に足を運んで作品に触れ、その余韻に浸りながら家に帰ってくるまでが自分の中でかけがえのない物語になります。
この「かぐやびより」も似たようなところがあります。公開から3年〜4年経ってしまったなぁとちょっとした勘違いをしてたんですが、実のところ昨年の公開から1年半でした。自分にとっては本作品の舞台となる「さんわーく かぐや」との出会いが3年〜4年前だったんです。今回の上映会はそこから地続きのものとして感じていたし、上映会を終えてみてまた一歩かぐやの世界観に近づけたなと思いました。多様な人が多様に過ごす居場所との出会いに始まる自分の中でのかぐや物語はこれからも続いていきそうです。
野外上映の魅力を知ったのは映画「アラヤシキの住人たち」を茅ヶ崎の里山で上映した時でした。同じくドキュメンタリー作品で、信州の山奥で自給的なコミュニティを描写する作品でしたが、写し出される映画の世界観がスクリーンの枠を超えてどこまでもどこまでも伸びていく感じがしたんです。目には見えないけど、確実にそうだったなという確信があって、この「かぐやびより」にも似通う何かを感じていました。
上映を終えてみてですが、、、野外上映、本当にやって良かった!
スクリーンの枠を超えてどこまでも伸びていく何かというのは、おそらく作品に触れた人々それぞれの心の中に伸びていくんだなぁと改めて思いました。
まるで、種まき、種おろしのようです。メジャーな興行ではなく、あくまで自主上映会を地でいく津村監督のひたむきさは手仕事にこだわるお百姓のようでもあります。「アラヤシキの住人たち」は描き方からして目と耳で感じるような作品だったと思いますが、「かぐやびより」はより日々の悩みや葛藤、あるいは大きな挫折にフォーカスして、かぐやで過ごす人たちがそれでも愉しく、豊かに日々を乗り越えていこうとする姿を描いています。だからこそ、夕暮れに染まる茜空から徐々に訪れる夕闇、肌寒さ、夜露の湿り気、焚き火の暖かさ、沿道の排気音さえ作品とともに感じながら、画的にスクリーンを超えていくだけでなく、観る人の心に沁み込んでいくような拡がり方がありました。そして、それは観た人の日々の暮らしに浸透していくものです。
ご参加いただいた皆さま、協力してくれた仲間、靖正さん、津村監督、関わっていただいたすべての方へ感謝です。
そうそう、ハコベの最年少メンバー、6歳のたっちゃんは当初、アクション映画を期待していた節もありますが、上映中じっと畑で寝そべりながら鑑賞。足踏み脱穀機のシーンで「あぁおんなじだ〜!」と唸り、上映後も「いろんな人がいた!おもしろかった!」と語っていたというのが、心の中で小さくガッツポーズをしたエピソードであります。
すずき たく