「無人自然農お野菜処」のスタイル考えたい。作りたい。
https://hakobe.1net.jp/gallery.html
市内外各所にある野菜の無人販売所。ギャラリーへ上げた以外にもたくさんあって、写真を撮り溜めていきたいと思っている。そのどれもが、農家さん宅の軒先や畑の隅に手作りで設置されている。ほとんど地元や近所の人しか知られていない。でも実はすごいポテンシャルを秘めていると私は感じている。ある狭い地域における無人販売所の研究をした論文を昔ネットで読んだが、面白かった。これは隠れた文化や芸術とも思う。都築響一の「TOKYO STYLE」赤瀬川源平「トマソン」などに連なる系譜の写真集ができそうなどと妄想する。
私は仕事や子供のことでかなりあちこち車で走り回るので、横目であっこんなところに無人ある!と気がつくのだが、いつも時間に追われて走っているので写真を撮ることができないでいる。そんな無人がいっぱいある。ぜひ撮ろうと思っていたのが家から一番近い無人。なんと、歩道の公的な街路樹の目線の高さに網が括り付けてあるだけという。無人販売所ですらないのだが、アバンギャルドである。
矢野
開催から2週間経ってしまいましたね。遅筆も遅筆であります、、
それはさておき。ハコベでは2回目となる「かぐやびより」上映会は瀬谷区にある喫茶バス通りにて行いました。
やって良かったとしみじみ感じています。
初回の野外上映はやっぱり狙っていなくてもインパクトのあるハレの日だったなという感じがありますが、バス通りでの今回の上映会は後から後からじんわり来る感じです。暖かみのある場所が自然とそこに出来上がってました。小さな喫茶店で、静かな雰囲気の中に参加者同士のやり取りがさり気なく響き、哲生さんの力強くも繊細な歌と世界感、ひきこもりというテーマを場で共有しつつ映画の世界へ。
上映後は参加者同士、車座になりハコベのバジルソースを焼きたてのフランスパンでいただきながら、静寂の中、互いの緊張感を探りさぐり紐解いていく時間。パンはせっかくだったらおいしいパンを食べたいと思い、たまたま瀬谷にボンヌ・ジュルネというパン屋さんを見つけ、結果的に当日11時焼き立てのパンを仕入れることができました。ハコベのバジルソースと合わせるともう絶品。当日の心持ちとして「布団の中から畑まで」が個人的テーマだったので、何かここでつながった気がしたのでした。
上映後の語り合いにはひきこもり当事者でありつつ地域活動支援センターで職員として働いていた方、ひきこもりのサポート事業を展開する方、精神科訪問看護師、ひきこもり経験を糧に表現するシンガーソングライター、朝起きれない施設長、ひきこもりや精神疾患当事者と居場所をつくるカフェオーナー、映画監督、長らく寿で活動している作業所職員、ゆるり会の面々など本当に多様な方が集っておりました。
哲生さんも、津村監督も、音楽そのもの、映画そのものから始まる出会いと語り合いを大切にされている表現者でした。
発信する人と受け取る人という関係にとどまらず、気づけば互いが発信者になっている。
初回上映会でも焚き火をしながら語り合いましたが、このバス通りでは、みんなでゆらゆら揺れるローソクの灯りを見つめているようでもありました。
人が集い、語り合う時、その真ん中に火を灯す。あるいは、目に見えない灯火がそこに灯っている。
これこそ、人と他者が寄り合う意味なんだろうなぁ。
哲生さんがアドリブで「もし独りきりだったなら、上映会だってできやしなかった」と歌っていたところでハッとしたわけなんですが、本当にそう思います。みなさんのおかげで心の中にもみのり多い秋を迎えられました。
ご参加いただいた皆さま、協力してくれた仲間、津村監督、関わっていただいたすべての方へ感謝です。
すずき たく